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SNSで「自分をフィギュアにしてみた」が広がっている
「ナノバナナって何?」「最近やたら“フィギュア化”って聞くけど…」
そんなふうに、静かに気になり始めた方へ——。
2025年夏、SNSでは「#FigureMe」や「#AIFigure」といったタグが熱を帯び、イラストや写真が“PVCフィギュア化”されたような画像が続々とアップされています。その火種となっているのが、Google Geminiの最新画像生成モデルに搭載された機能、**ナノバナナ(Nano Banana)**です。
画像をアップロードし、ちょっとしたプロンプトを添えるだけで、自分の姿も、推しのキャラも、まるで市販フィギュアのように――。背景にはパッケージボックス、足元にはアクリル台座、質感は光沢と陰影までリアルに再現。
この「簡単にできすぎる楽しさ」が、今、イラストレーターやVtuberファンだけでなく、AI初心者までも巻き込んだひとつの現象になりつつあるのです。
本記事では、この「ナノバナナ × フィギュア化」ブームの魅力と使い方を、はじめてGeminiを使う人でもわかりやすく紹介していきます。
ナノバナナとは?Google Geminiの最新画像AI
最近、AI業界で「ナノバナナ(Nano-Banana)」というユニークな名前が注目を集めています。実はこれ、GoogleがGeminiに統合した最新の画像生成モデル「Gemini 2.5 Flash Image」の公式コードネーム。かつては開発内部の通称とされていたものの、2025年8月にはなんと**「@NanoBanana」名義でX(旧Twitter)公式アカウントが開設**され、いまや正式な愛称として扱われています。
🌟「Nano Banana, aka Gemini 2.5 Flash Image, the world’s most powerful image editing and generation model!」(@NanoBananaより)
🔸なぜここまで話題に?
Gemini 2.5 Flash Imageは、画像の生成だけでなく、「編集」も極めて自然に行えることで、世界中のクリエイターや一般ユーザーの間で爆発的に関心を集めました。
SNSでは──
- 「違和感がなくなった」
- 「他のAIと比べて“加工感”が少ない」
- 「素材のような写真でも立体的に変換してくれる」
といった評価が相次ぎ、#NanoBananaや**#FigureMe**などのタグと共にフィギュア画像の投稿が広がっています。
🔸Midjourney・Firefly・ChatGPT‑5との違い
- Midjourney:画風に個性がある一方で、リアル系表現や立体構造の再現はやや誇張されがち
- Adobe Firefly:商用利用向きで安定感はあるが、生成までにやや時間がかかる
- ChatGPT-5(DALL·E):汎用性は高いが、細部の写実感ではナノバナナに一歩譲る
→ **Nano-Bananaは「リアルで自然、かつ高速に出力できる」**という点で差別化されています。
🔸Googleらしい“安全なAI画像生成”も魅力
生成された画像には**「SynthID」**という透かしが自動的に埋め込まれ、AI生成物であることが明示できる仕組みも搭載。これは視認できるものではなく、倫理的・商業的な安心感を担保する設計として評価されています。
なぜ「フィギュア化」がここまで流行したのか
Geminiの「ナノバナナ」機能がリリースされて以来、SNSでは“フィギュア風”の画像投稿が一気に加速しました。
X(旧Twitter)では「#FigureMe」や「#AIFigure」といったタグで画像が飛び交い、noteやThreadsにも「自分をフィギュアにしてみた」系の投稿が増加。検索すれば、“アクリル台座に立つ自分”や“パッケージ入りの推し”が次々と見つかります。
この流れを後押ししているのが、以下の3つの“フィギュア化欲”です。
🔸①「誰かに見せたくなる」ビジュアルの魔力
ナノバナナの生成画像は、まるでBANDAIやグッドスマイルカンパニーが出していそうな1/7スケールの本格商品のような仕上がり。
背景には印刷されたパッケージボックス、キャラの足元には透明なアクリルベース、微妙な光の反射や影の落ち方までリアルに描かれます。
「これ、ほんとにAIが作ったの?」というレベルの完成度は、SNS映えとの相性も抜群。
“作品”というより“商品写真”に見えるからこそ、多くの人が「誰かに見せたい」と思ってしまうのです。
🔸② 参加のハードルが低い=「私もやってみたい」が生まれる
ナノバナナがすごいのは、高品質な画像を“1クリック+1プロンプト”で生成できること。
Photoshopのスキルも、3Dモデリングの知識も不要。ただ、写真やイラストをアップロードして、「フィギュアにして」と書くだけ。
この手軽さが、イラストレーター/コスプレイヤー/Vtuberファンといったジャンル横断的な参加を生み、「投稿すれば誰かと繋がれる」という安心感も後押しになっています。
🔸③ AIだからこその“夢のフィギュア化”が叶う
ナノバナナでは、現実では商品化されていないキャラや、本人の写真、さらには自作のイラストでも自由にフィギュア化できます。
ファンが“もしこの子が立体化されたら…”と想像していたビジュアルを、現実味のある形で出力できる。しかも数秒で。
つまりこれは、「好き」と「形にしたい」が一致した、いまこの瞬間ならではのブームなのです。
Geminiでフィギュアを作る手順をやさしく解説
「ナノバナナでフィギュア画像を作れるのは分かった。じゃあ、実際どうやってやるの?」
そんな読者のために、ここではGoogle Geminiのナノバナナ(正式にはGemini 2.5 Flash Image)を使って、自分の写真やイラストを“フィギュア化”する手順を、やさしく3ステップでご紹介します。
✅ Step 1|どんなフィギュアにしたいか“言葉で伝える”
Geminiでは、画像の生成内容を「プロンプト(=指示文)」で伝えます。
このとき、以下のような要素を組み合わせると、精度がぐっと上がります。
- スケール感:「1/7スケール」「等身大」
- 材質や質感:「PVC」「プラスチックの光沢」
- 構図:「机の上に置かれている」「箱に入っている」
- 背景や光:「設計図が映ったモニター」「スタジオライティング」
🌟 シンプルなプロンプト例
「商業製品のようなフォトリアルな1/7スケールのアクションフィギュア」

実際にこのミリアの画像をGeminiに渡して、
「商業製品のようなフォトリアルな1/7スケールのアクションフィギュア」で画像を作って
とお願いしたら…

これが出来上がりました!
ほんとに数十秒、おそらく1分かかってないです。30〜40秒くらいでしょうか。
🌟 もう少し細かく指定したいとき
「スタジオの机の上に置かれた、リアルな1/7スケールのフィギュア。背景のパソコンモニターには3Dモデルが表示され、隣には商品パッケージが見える。プロ仕様のライティングで細部がくっきり見える構図で。」

実際にこの水鉄砲のミリアの画像を渡して、
「スタジオの机の上に置かれた、リアルな1/7スケールのフィギュア。背景のパソコンモニターには3Dモデルが表示され、隣には商品パッケージが見える。プロ仕様のライティングで細部がくっきり見える構図で。」画像を頼んだところ…

これが出来上がりました!
こちらのプロンプト(指示文)でも時間は1分かからなかったですね。
✅ Step 2|素材画像を用意する(アップロード)
- 正面を向いた写真やイラストが最も安定
- アバターやVtuber風イラストでも問題なし
- 元画像に余白や背景が多すぎると、フィギュア化が不安定になることもあるため注意
💡人物以外にも、ペットや創作キャラ、ぬいぐるみなども対象にできます。
✅ Step 3|画像とプロンプトをGeminiに渡す
Gemini 2.5 Flash Imageは、以下の環境で使えます:
- Google AI Studio(開発者・画像生成者向け)
- Flux AI(手軽なUIで画像生成が可能)
- Geminiモバイルアプリ(Android/iOSでも使用可)
- Gemini Web版
いずれの環境でも、画像とプロンプトをアップロードし「生成」ボタンを押せば、数秒〜十数秒でフィギュア画像が完成します。
💡ワンポイントアドバイス:アスペクト比に注意!
「パッケージ入りのフィギュア風」にすると、自動的に**縦長(9:16)**になることが多いです。
一方、設計室風・机の上構図などは、**正方形や横長(1:1 / 16:9)**での出力も安定しています。
🪶おすすめ:
プロンプトに「16:9」や「1:1」などアスペクト比を含めると、意図通りの構図に近づきやすくなります。
効果的なプロンプト例:フィギュア感を引き出す言葉
ナノバナナ(Gemini 2.5 Flash Image)の魅力は、“指示した通り”に驚くほどリアルなフィギュア画像を作ってくれること。
けれど、どんな言葉で頼むかによって、仕上がりはまるで別物になります。
ここでは、目的別にすぐ使えるプロンプト例を紹介します。
🔹1. 市販フィギュア風の王道構図にしたいとき
「パッケージ入り」「アクリル台座」「背景ボックス」など、商品化されたような演出をしたいときの定番プロンプトです。
🌟英語プロンプト(最も安定)
a photorealistic 1/7 scale action figure in a plastic package, standing on a transparent acrylic base, with the character’s printed product box behind it. studio lighting, commercial product photography style.
🌟日本語プロンプト(意訳例)
「商業製品のようなフォトリアルな1/7スケールのアクションフィギュア。透明なアクリル台座に立ち、背後には印刷されたパッケージボックス。スタジオライティングで撮影された商品写真風。」
🔹2. 設計室やデスク上の“制作風景”にしたいとき
「机の上に置かれたフィギュア」+「背景にモニターや設計図」など、制作途中感/モデリング感を演出したい場合に有効です。
🌟英語プロンプト
a 1/7 scale figure is placed on a clean desk. behind it, a computer monitor displays a 3D modeling software view (wireframe or textured). the figure’s product box is partially visible next to it. ambient studio lighting.
🌟日本語プロンプト(意訳例)
「机の上にリアルな1/7スケールのフィギュア。背景モニターにはそのフィギュアの3Dモデリング画面(ワイヤーフレームまたはテクスチャ表示)。横に製品パッケージの一部が見える。スタジオ風のライティングで柔らかく照らされている。」
🔹3. 粘土原型やZBrush風の“モデリング中”にしたいとき
リアルフィギュアの制作工程っぽさを出したいときは、**「gray clay」「sculpting」「ZBrush」**などの語が有効です。
🌟英語プロンプト
gray clay prototype of a 1/7 scale figure, shown on a digital sculpting interface like ZBrush, with wireframe overlay. lighting is soft and workshop-like.
🌟日本語プロンプト(意訳例)
「ZBrushのような画面に表示された1/7スケールの粘土原型。グレーの粘土素材で造形されており、ワイヤーフレームが重なって見える。工房のような雰囲気で、柔らかな照明が当たっている。」
🔹4. デフォルメ・ねんどろいど風の可愛い系
「chibi」「super-deformed」「nendoroid style」などの語で、小さくて可愛いフィギュア風に変換できます。
🌟英語プロンプト
a cute chibi-style action figure in nendoroid style, standing on a white acrylic base, with big eyes and small body proportions. boxed like a toy product.
💡プロンプトで“効かせる”コツ
- 先に全体像 → 細部へ:「1/7スケールのフィギュア」「背景にパッケージ」「ライティングで質感強調」など、順序を整えると通りやすくなります。
- 素材と光を意識する:「PVC」「glossy」「soft shadows」「studio lighting」などがリアル感を引き出す魔法のワードです。
- 欲しいアスペクト比も添えると安定:「in 16:9 aspect ratio」なども添えると構図崩れが防げます。
トレンドを押さえる!おすすめハッシュタグまとめ
フィギュア風画像が完成したら、次はSNSでの「共有」が醍醐味です。
特にX(旧Twitter)やThreads、Pinterestでは、ハッシュタグの使い方ひとつで投稿の露出度が大きく変わります。
ここでは、ナノバナナで生成したフィギュア画像に適したハッシュタグを、目的別にまとめました。
🔹1. フィギュア画像そのものを見てもらいたいなら
- #FigureMe:現在もっとも勢いのある流行タグ。自撮りや推しをフィギュア化した人が使っています。
- #AIFigure
- #AIフィギュア化
- #Gemini画像
- #ナノバナナ
これらを組み合わせると、検索での発見性が大きく向上します。
特に**#FigureMe × #Gemini画像**というセットは、海外と国内どちらのAIファンにも届きやすい構成です。
🔹2. AI生成や技術寄りの注目を集めたいとき
- #AIart
- #generativeart
- #digitalart
- #Gemini2.5
- #NanoBanana
これらは、AI生成に関心の高い層に届きやすく、Midjourneyユーザー/DALL·Eユーザーとの交差も生まれやすいタグ群です。
🔹3. 見つけられやすくなる補助タグ(検索誘導向け)
- #キャラクター画像
- #3D風加工
- #アクションフィギュア
- #PVCフィギュア
- #ZBrush風
- #おもしろ加工
- #AI画像投稿
これらはバズ狙いというよりも、「検索で拾われやすくなるための下支え」として活用できます。
Pinterestなどでは英語タグ×日本語補足の組み合わせも効果的です。
✅タグ活用のコツまとめ
- 3〜5個程度に絞る:付けすぎると逆に埋もれます
- 英語+日本語ミックスがベスト:国内外どちらのトレンドにも乗れる
- FigureMe系はなるべく先頭に:アイキャッチになる主要タグは最初に置く
- 画像にあったタグを都度変える:ねんどろいど風 → #NendoroidStyle など柔軟に
まとめ:ナノバナナで“推し”も“自分”もフィギュアに

画像生成AIは、ただ“きれいな絵”を作るだけの存在ではなくなりました。
今、Google Geminiの「ナノバナナ」は、想像を“立体的に”形にする入口として、新しい波を起こしています。
SNSで流行している「#FigureMe」タグに代表されるように、
誰かの“推し”も、自分自身も、あるいは創作キャラでさえも、ほんの数ステップでフィギュア化された未来のビジュアルとして生まれ変わる。
これまでなら、3Dソフトでモデリングして、プリントして、塗装して……と
時間もスキルも必要だった世界が、いまや「言葉と画像」だけで手の届くものになりました。
あなたが初めてナノバナナを試すとき、何をフィギュアにしてみたいですか?
- 大切なぬいぐるみ?
- 思い出の衣装を着た自分?
- まだ形になっていない創作キャラの“立体像”?
それはきっと、「誰かに見せたい」でもあり、「自分自身が見てみたかった」景色なのだと思います。
Geminiがくれるのは、AIの魔法だけでなく、自分の感性を“立体”にしてみるという小さな冒険。
まずは1枚、気軽に試してみてはいかがでしょうか。
