ChatGPTを使っていると、「会話が流れてしまって整理しづらい」「仕事や学習、趣味を分けて使いたい」と感じたことはありませんか?
そんな悩みを解決するのが、最近すべてのユーザーに開放された「プロジェクト機能」です。チャットやファイルをひとまとめに管理し、必要ならプロジェクト専用のメモリを持たせることも可能になりました。さらに、色やアイコンを選んで見た目も整理できるため、自分だけの作業環境を作れるのが特徴です。
この記事では、初心者の方でも分かりやすいように、プロジェクト機能の基本から使い方、実際の活用例、そして他サービスとの比較までを順を追って解説していきます。
目次
ChatGPTの「プロジェクト機能」とは?
ChatGPTの「プロジェクト機能」は、特定のテーマや目的ごとにチャット・ファイル・メモリをまとめて管理できる仕組みです。
従来は、ひとつの長いチャット履歴の中で情報が散らばりがちでした。しかしプロジェクトを使えば「仕事用」「学習用」「趣味用」といった具合に机を分けるように環境を整理できます。
ポイントは以下の3つです。
- チャットをまとめて保存できる
1つのプロジェクトの中に複数のチャットを追加可能。過去のやりとりを探しやすくなります。 - ファイルを関連づけられる
PDFやWordなどの資料を直接アップロードして、プロジェクト内の会話で活用できます。 - 専用メモリを持てる
「このプロジェクトのやり取りだけ覚えてほしい」という設定ができるため、他のテーマと混ざらず安心。
無料ユーザーも利用可能になったことで、今後はChatGPTの基本機能のひとつとして使われる場面が増えていくはずです。
なぜプロジェクト機能が便利なのか
プロジェクト機能の魅力は、単なる整理整頓にとどまりません。日々の利用シーンで「あると助かる」と感じる具体的なメリットがいくつもあります。
1. テーマごとの切り替えがスムーズ
「仕事の調査」「資格勉強」「小説のアイデア」など、複数のテーマを同時に進めるとき、チャットが混ざってしまうと探すのが大変です。プロジェクトを分けておけば、クリック一つで机を切り替える感覚で作業を進められます。
2. 関連資料を一括で管理できる
ファイルをアップロードしてプロジェクト内に置いておけば、その場で「この資料を要約して」と呼びかけられます。もう外部フォルダを開いて探す必要はなく、AIとの会話と資料がひとつの場所にまとまります。
3. 記憶を“混ぜない”で済む
プロジェクト専用メモリを使えば、学習用ノートに書いた内容が趣味の雑談に影響してしまう…といった混線を防げます。テーマごとに独立したコンテキストを持たせることで、安心して記録を積み上げられます。
4. 視覚的にもわかりやすい
色やアイコンを使ってプロジェクトをカスタマイズできるため、一覧画面で直感的に区別がつきます。複数を同時に運用するほど、この「見た目の整理力」が効いてきます。
結果として、プロジェクトは「散らかりがちな会話を、作業空間として再構築する」役割を果たします。
プロジェクトの作り方(初心者向けステップ)
プロジェクト機能は、慣れてしまえばとてもシンプルです。ここでは初心者でも迷わないように、基本的な手順を順番に整理してみましょう。
1. 新しいプロジェクトを作成する
サイドバーの「+ 新しいプロジェクト」をクリックします。名前を入力し、必要なら色やアイコンを選びましょう。ここで付けた見た目は後から変更できるので、気軽に設定して大丈夫です。
2. チャットを追加する
プロジェクトを作成すると、その中に新しいチャットを立ち上げられます。以後のやりとりはすべてこのプロジェクトの中に保存され、他のプロジェクトと混ざりません。
3. ファイルをアップロードする
関連資料がある場合は、画面から直接ファイルをアップロードします。PDF・Word・スプレッドシート・画像などに対応しており、アップロードしたファイルはプロジェクトの「資料棚」に並ぶイメージです。
4. メモリの設定を確認する
プロジェクトの設定画面から「プロジェクト専用メモリ」をオンにすると、そのプロジェクトだけに記憶が保存されます。他のテーマと切り離したい場合に活用しましょう。
プロジェクトの作成は「机を一つ増やす」ような感覚です。名前と色を決めて、ファイルとチャットを置けば、もう自分専用の作業環境が整います。
ファイルアップロードと扱い方
プロジェクト機能の大きな魅力のひとつが「ファイルを直接アップロードできること」です。これにより、ChatGPTは会話だけでなく、資料を踏まえた応答をしてくれるようになります。
1. プラン別のアップロード上限
- Free(無料):1プロジェクトあたり最大5ファイル
- Plus/Go/Education:最大25ファイル
- Pro/Business/Enterprise:最大40ファイル
※1回のアップロードで同時に追加できるのは10ファイルまでです。
2. 対応ファイル形式
PDF、Word、Excel、テキストファイル、画像など幅広く対応しています。例えば「リサーチレポートのPDFを要約してもらう」「表計算のデータを分析してもらう」といった使い方が可能です。
3. 実際の利用例
- 学習:過去問や参考資料のPDFをまとめてアップし、要点を解説してもらう。
- 仕事:顧客資料を入れて、メール文案や提案書を生成してもらう。
- 創作:キャラ設定やプロットを文書でアップし、そこから物語を展開してもらう。
4. 注意点
- ファイルサイズの上限は1ファイルあたり512MB(テキストは200万トークン程度まで)。
- アップロードしたファイルは、そのプロジェクト内でのみ参照されます。
メモリの制御と「プロジェクト専用メモリ」
ChatGPTには「メモリ」と呼ばれる機能があり、過去の会話内容やユーザーの設定を覚えて次の対話に活かすことができます。プロジェクト機能では、このメモリをプロジェクト単位で制御できるようになりました。
1. プロジェクト専用メモリとは
通常のメモリはすべてのチャットで共有されますが、プロジェクト専用メモリをオンにすると、そのプロジェクトの中だけに記憶が保存されます。他のプロジェクトや通常のチャットには影響しません。
2. メリット
- 情報の混在を防げる
たとえば「資格勉強プロジェクト」に記録した用語集が、雑談チャットに混ざることはありません。 - テーマごとに精度が上がる
プロジェクトの会話だけを覚えているため、より一貫した回答を得やすくなります。 - プライバシー管理にも有効
個別の研究や仕事案件など、他の用途と切り離したいテーマを安全に管理できます。
3. 切り替えの方法
プロジェクトの設定画面で「プロジェクト専用メモリ」をオン/オフできます。初期状態ではオフ(通常メモリ利用)になっているため、必要に応じて切り替えましょう。
4. 活用の具体例
- 学習ノート:試験範囲の知識を専用メモリに残し、復習に役立てる。
- 創作プロジェクト:キャラクター設定や世界観を記憶させ、物語の一貫性を守る。
- 仕事案件:クライアントごとの情報を独立して保持し、他案件と混ざらないようにする。
プロジェクト専用メモリを使うと、ChatGPTが「机ごとに別の記憶を持つ」ようになります。テーマを切り分けたい人には特に重宝する機能です。
カラーとアイコンでカスタマイズ
プロジェクト機能では、名前を付けるだけでなく色やアイコンを選んでカスタマイズできます。これにより、プロジェクトが一覧に並んだときに直感的に見分けやすくなります。
1. 色でカテゴリー分け
- 仕事=ブルー系
- 学習=グリーン系
- 趣味=オレンジ系
このように色分けすると、用途ごとの整理が視覚的にしやすくなります。
2. アイコンでシンボル化
数十種類のアイコンから選択できるため、自分の用途に合ったシンボルをつけることが可能です。
例:📚 本 → 勉強用、💼 ブリーフケース → 仕事用、🎨 パレット → 創作用
3. 実際の効果
複数のプロジェクトを同時並行するとき、視覚的な区別があると「どれがどのテーマか」を一瞬で判断できます。特にファイルやチャットが多くなったときに威力を発揮します。
4. 気軽に変更可能
一度設定した色やアイコンは後からいつでも変更できます。テーマの変化や気分に合わせて更新するのも良いでしょう。
色とアイコンは、機能上の必須要素ではありません。しかし、「自分の世界観に沿った作業空間」を持てるのは、プロジェクトを続けるモチベーションにつながります。
実際の活用例(仕事/学習/創作)
プロジェクト機能は「便利そうだけど、どう使えばいいの?」と思われがちです。ここでは具体的なシーンを想定して、実際の活用例を紹介します。
1. 仕事での活用
- 顧客ごとの案件管理:プロジェクトをクライアント単位で分け、打ち合わせ内容や資料をまとめて保存。
- レポート作成:調査資料をPDFでアップロードし、要点を抽出して報告書の素案を作成。
- チーム連携(上位プラン):Enterpriseプランではプロジェクトを共有できるため、複数人で同じ作業空間を扱える。
2. 学習での活用
- 資格試験対策:過去問のPDFをアップし、「解説を簡単にまとめて」と質問。
- 講義ノート:講義のポイントをメモし、プロジェクト専用メモリに記憶させて復習。
- 言語学習:教材やフレーズ集をファイル化し、会話練習や例文作成に活かす。
3. 創作での活用
- キャラクター設定の保存:キャラごとの資料をアップして、物語の一貫性を維持。
- 小説プロットの管理:章ごとにチャットを分けて執筆の進行を整理。
- アイデアストック:思いついた断片をプロジェクトに記録し、後でまとめて活用。
他のAIサービスとの比較(Gemini/Claude/Perplexityなど)
ChatGPTの「プロジェクト機能」は独自性がありますが、他のAIサービスにも似たような仕組みが存在します。ここでは代表的なサービスを取り上げ、比較の視点を整理します。
Google Geminiの「Projects」構想
GoogleはGeminiにも「Projects」機能を導入予定です。複数のファイルをまとめ、研究やタスクを一括して扱えるようになると報じられています。まだ一般ユーザーには広く展開されていませんが、ChatGPTのプロジェクトに近い概念を備えつつあります。
Claude(Anthropic)のProjects
Claudeにはすでに「Projects」機能があり、有料プランで利用可能です。プロジェクト単位で知識ベースやカスタム指示を保存し、テーマごとに独立したコンテキストを維持できます。ChatGPTと比べても整理力が高く、業務利用に適した仕組みです。
Perplexityの「Labs」
Perplexityは「Labs」という実験的環境を提供しています。これは厳密に言えばプロジェクト機能ではなく、レポート作成やコード実行、ダッシュボード構築などを一括で行う“ワークフロー工房”に近いものです。テーマ整理というより、多様なアウトプットを高速で形にすることに強みがあります。
GenSparkの位置づけ
GenSparkはプロジェクト的な管理機能を備えていません。むしろ「クリエイティブを高速で生み出す場」としての性格が強く、構造的な整理より瞬発的な制作に特化しています。
よくある質問(Q&A)
Q1. 無料プランでもプロジェクト機能は使えますか?
はい。2025年からすべてのユーザーに開放されました。無料プランでは1プロジェクトにつき最大5ファイルまでアップロード可能です。
Q2. プロジェクトの数に制限はありますか?
ありません。プロジェクトはいくつでも作成できます。ただし、プランによってアップロードできるファイル数や総容量には上限があります。
Q3. iOSアプリでは使えないのでしょうか?
現在はWeb版とAndroid版で利用可能で、iOS向けには順次展開されています。近いうちにすべての環境で利用できるようになります。
Q4. プロジェクト専用メモリをオンにするとどうなりますか?
そのプロジェクトの中での会話や情報だけが記憶され、他のプロジェクトや通常チャットには影響しません。テーマを分けたいときに有効です。
Q5. アップロードしたファイルはどれくらいの大きさまで対応していますか?
1ファイルあたり512MBまで対応しています(テキストの場合は200万トークン程度)。合計で10GBの保存容量が上限となります。
関連リンク(OpenAI公式)
まとめ|プロジェクト機能でChatGPTを“あなた専用の書斎”に

ChatGPTのプロジェクト機能は、単なる新機能ではなく「会話と資料をテーマごとに整理するための書斎」のような存在です。
チャット・ファイル・メモリをひとまとめにできるため、仕事・学習・趣味など、用途ごとに机を持ち替える感覚で使えます。
- 無料ユーザーでも利用可能
- ファイルをプロジェクト内で一括管理
- 専用メモリで情報の混在を防止
- 色やアイコンで視覚的に整理
- 他サービスと比較しても独自性が高い
といった特徴を踏まえると、初心者にとっても「まず1つ作ってみる」だけで大きな利便性を実感できるはずです。
これまで「チャットが散らかって管理しにくい」と感じていた人ほど、プロジェクト機能の恩恵は大きいでしょう。ChatGPTを自分専用の書斎に育てる第一歩として、ぜひ今日から試してみてください。