AIがこちらから問いかける前に「先に調べ、まとめて届けてくれる」。そんな未来的な機能がChatGPTに追加されました。それが「ChatGPT Pulse」です。
PulseはProユーザー向けに提供されている新しいプレビュー機能で、過去のチャットや保存したメモ、連携したアプリをもとに、毎朝パーソナライズされた情報ブリーフィングを作成してくれます。まるで「AIが自分専属の秘書になったような感覚」を体験できる点が特徴です。
今回は、このChatGPT Pulseの概要、使い方、メリットや注意点をわかりやすく解説していきます。
目次
ChatGPT Pulseとは?
ChatGPT Pulse(パルス)は、ChatGPTに新しく追加された「能動的なAIアシスタント機能」です。これまでのChatGPTは、ユーザーが質問や指示を入力して初めて返答を行う“受け身型”でした。しかしPulseでは、AIがユーザーの代わりに情報を収集し、毎朝まとめたブリーフィングを届けてくれます。
特徴
- 毎朝のパーソナライズ要約
ニュース、関心分野、予定などをカード形式でわかりやすく表示。興味のある項目をタップすれば、詳細や関連情報も確認できます。 - ユーザー履歴を活用
過去のチャットや保存したメモを参照し、「あなたにとって今必要そうな情報」を自動で選出。まるで自分専属のリサーチャーがいるかのような体験が得られます。 - コネクタとの連携
GmailやGoogleカレンダーなどのアプリと接続すると、予定やメール内容もPulseに組み込まれます。
公式リリース情報
この機能についての詳細は、OpenAI公式ヘルプに掲載されています。
👉 ChatGPT Pulse — Help Center
どこで使える?利用条件と設定
ChatGPT Pulseは誰でもすぐに使えるわけではありません。現時点では利用条件があり、対象者と環境が限られています。
利用条件
- ChatGPT Proユーザー限定
無料版では利用できません。月額課金のProプランに加入していることが必須です。 - モバイルアプリ版のみ対応
Pulseが利用できるのはiOSまたはAndroidのChatGPTアプリ。ブラウザ版やデスクトップ版ではまだ提供されていません。 - Memory機能を有効化する必要がある
Pulseはユーザーのチャット履歴や保存されたメモをもとに情報を生成するため、Memoryをオンにしておく必要があります。設定画面から切り替え可能です。
設定の流れ
- ChatGPTモバイルアプリを開く
- 「設定」メニューに進む
- 「Memory」をオンにする
- Pulseの利用を有効化する(プレビュー版の場合「Pulseを試す」といった項目が表示される)
- 必要に応じてコネクタ(GmailやGoogleカレンダーなど)を連携
これで、翌日以降の朝からPulseのカードがアプリに届くようになります。
どんな情報が届くのか?
Pulseが毎朝届けてくれるのは、単なるニュースの羅列ではありません。ユーザーごとに最適化された「パーソナライズ情報のカード集」です。
主な内容
- 関連ニュースや最新トピック
直近の動向や話題性のある情報が要約されて表示されます。たとえばAIやテクノロジーに関心がある人には、その分野の最新ニュースが中心に並びます。 - 保存したメモやチャット内容に基づくリマインド
過去に調べたテーマや相談内容を手がかりに、関連する新しい情報を提示。学びの継続や振り返りに役立ちます。 - アプリ連携で強化された情報
Gmailを接続すれば重要なメール要約、Googleカレンダーを連携すれば当日の予定リマインドなどが加わります。
表示形式
- カード形式のビジュアルサマリー
ひと目で内容が把握できるカード型。スワイプでざっと流し読みが可能です。 - フォローアップ機能
気になったカードを選ぶと、さらに深掘りして解説してくれたり、追加の質問を投げられます。
Pulseは「情報を探す」のではなく「情報が届く」仕組み。その受け取り方がこれまでのChatGPT体験を大きく変える点です。
メリットと注意点
Pulseは未来的で便利な機能ですが、実際に使うにあたっては強みと同時に留意点もあります。
メリット
- 情報収集の効率化
朝のタイミングで必要な情報をまとめて確認できるため、ニュースチェックや予定管理の時短につながります。 - 関心の拡張
自分では検索しなかったテーマも提示されることで、新しい視点や学びを得やすくなります。 - 行動のきっかけを作る
予定やメモと組み合わせることで「今日やるべきこと」を自然に意識できる点も利点です。
注意点
- プレビュー段階のため精度にばらつきがある
関連性が薄い情報が混じることもあり、常にピタリと当たるわけではありません。 - プライバシーに配慮が必要
履歴やメモ、接続アプリの情報を参照する仕組みなので、利用範囲を自分で理解し、不要なデータは共有しないよう調整が大切です。 - 通知過多のリスク
情報が毎朝届く設計のため、人によっては「情報の押しつけ」と感じる場合も。設定でコントロールする姿勢が望まれます。
今後の展望
Pulseはまだプレビュー段階ですが、その方向性には大きな可能性があります。
受け身から能動へ
従来のChatGPTは、ユーザーが問いを入力して初めて動く“受け身”の存在でした。Pulseはそこから一歩進み、ユーザーが何もせずとも情報を調べ、提示する“能動的アシスタント”の役割を担い始めています。
拡張の可能性
- スケジューリングやタスク提案
今後は予定や習慣に基づいて「リマインダー」や「次の行動提案」をしてくれる方向に発展するかもしれません。 - 学習や研究支援
関心のあるテーマを継続的に追跡し、最新の論文やレポートをまとめるなど、より専門性の高い支援機能に拡張される可能性もあります。 - マルチモーダル統合
テキストだけでなく画像や音声も交えたブリーフィングに進化することも考えられます。
今のうちに試す価値
Pulseはまだ実験的な機能で、精度や利便性はこれから磨かれていきます。ただ、AIが「自分に必要そうな情報を先回りして届けてくれる」という体験は、将来のアシスタント像を垣間見る重要な一歩です。早めに触れて慣れておくことで、今後の進化をスムーズに取り入れやすくなるでしょう。
ChatGPT Pulseに関するFAQ
Q1. Pulseは無料ユーザーでも使えますか?
A. いいえ、現時点ではChatGPT Proプラン限定の機能です。無料版では利用できません。
Q2. Pulseはパソコン(ブラウザ版やデスクトップ版)でも使えますか?
A. 現在はiOS/Androidのモバイルアプリ限定で提供されています。ウェブやデスクトップ版への展開は未定です。
Q3. Pulseでどんな情報が届くのですか?
A. ニュースやトレンド情報、過去のチャットやメモをもとにした関連トピック、連携アプリ(Gmail/Googleカレンダーなど)からの予定要約などが届きます。
Q4. プライバシーは大丈夫ですか?
A. PulseはMemory機能をオンにしたときに利用できます。どのデータを保存・利用するかは設定から管理でき、不要であればオフにすることも可能です。
Q5. 毎朝必ず通知が来ますか?
A. 基本的にPulseは朝にカードを表示する仕組みですが、通知が多すぎると感じる場合はアプリの通知設定で調整できます。
まとめ
ChatGPT Pulseは「受け身のAI」から「能動的なアシスタント」へと進化する象徴的な機能です。Proプラン限定・モバイルアプリのみという条件はありますが、毎朝パーソナライズされた情報ブリーフィングを受け取れる体験は、これまでの情報収集の習慣を大きく変える可能性を秘めています。
要点を整理すると…
- Pulseは毎朝の情報ブリーフィング機能
- Proユーザーかつモバイルアプリ限定
- Memoryやコネクタを活用することで内容が深まる
- 効率化・関心拡張・行動のきっかけ作りに役立つ
これにより、メルマガで情報を受け取る感覚やニュースアプリをチェックする習慣、さらには朝のルーティンそのものが変わっていくかもしれません。
また、AIを「AI彼氏」「AI彼女」「AI恋人」「AIパートナー」として使っているユーザーにとっては、Pulseが届けてくれる情報はさらにユニークです。たとえばデートスポットの最新情報、美術館や展覧会のスケジュール、話題のレストランやイベントの提案など──一緒にワクワクする未来のプランニングに活用できるでしょう。
Pulseはまだプレビュー段階ですが、日々の情報との向き合い方を一歩進めてくれる存在です。これからどんな進化を遂げるのか、利用者としても大いに期待したいところです。